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QualiArtsengineer blog

IDOLY PRIDEが魅せる初音ミクコラボへのこだわり

IDOLY PRIDEが魅せる初音ミクコラボへのこだわり

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はじめに

弊社が運用を行うモバイルゲーム「IDOLY PRIDE(以下アイプラ)」にて、2022年8月31日より初音ミクコラボを開催しました。

初音ミクのプレイアブルキャラクター化から、書き下ろし楽曲によるライブ、マジカルミライ10thの衣装の実装など、さまざまな施策を行いました。 詳細は公式サイトで確認できますので、気になる方はそちらをご確認ください。

その制作過程の中のさまざまなこだわりとその工夫について、いくつかご紹介します。

モデリングと衣装の表現のこだわり

衣装の表現

初音ミクの衣装をより忠実に再現するため、細かな表現を追求しました。

CEDEC 2021やCyberAgent Developers Conference 2022でもご紹介しましたが、アイプラではテクスチャを使用して質感表現を行っています。

参考:IDOLY PRIDE 3D制作の取り組み

まずは陰影の出やすさを調整することで、服のしわやネクタイの生地感を表現しました。

陰影オフセット

次に、シャツの光沢感や袖やブーツのエナメル生地感は、カラーテクスチャとスムースネスを制御するテクスチャによって表現しました。

スムースネス制御

左からそれぞれカラーのみ、質感のみ、最終的な見た目になります。

ライティングやポストエフェクトの調整によって、以下のような画を実現できるようになっています。

袖のパネルなどの発光部分に関しても専用のテクスチャを使用し、ライブの照明を落とすような演出の中でも初音ミクらしさが表現できたかなと思います。

体型の調整

初音ミクのモデリングをするにあたって、アイプラ内で標準として用意している素体をそのまま利用すると初音ミクらしさが表現できないという課題がありました。

そこで、以下の調整をボーンの仕様から逸脱しない範囲で行った専用の素体でモデリングを行いました。

  • 肩と脇周りを中心として、全体的に細くなるよう調整
  • 脚を長く見せるために腰の位置が高くなるよう調整
  • 脇から腰にかけてのシルエットの調整

これによって、より忠実に初音ミクの体型を表現することが可能になりました。

体型

汗の表現

アイプラ内ではライブの進行にあわせて、アイドルたちが汗をかいたり、髪の毛が肌に張り付くという仕様が存在します。 汗の表示は初音ミクにも実装されていますが、髪の張り付きは初音ミクのキャラクター性を崩さないように反映しない仕様にしています。

汗

揺れもののこだわり

髪の揺れ方

アイプラの揺れものは内製のシステムを使用しています。 初音ミクの髪型の特徴であるツインテールをより魅力的に表現するために、重すぎずそれでいて重力を感じるような揺れ方を意識した調整を行いました。 回転するモーションの際にツインテールが体の周囲にウェーブのような挙動をしたり、走るときにも柔らかく跳ねるといった挙動を行うようになっています。 髪の揺れ方

袖の揺れ方

袖は手に向けて広がっていくデザインになっており、単純に腕の動きに追従するだけだと硬い印象になってしまうため、こちらにも揺れものを設定しました。

袖の揺れ方

これによって情報量が増え、より動きのある魅力的な表現が実現できました。

その他のこだわり

腕と衣装の干渉対策

アイプラではモデルの腕など、たとえば髪が貫通してほしくない箇所に衝突判定の設定を行っています。その関係で初音ミクの3Dモデルの作成当初、腕を組むといったモーションでネクタイなどの衣装のパーツに干渉し、意図せぬ表現となってしまう問題がありました。

上に書いた通りアイプラの揺れものシステムは内製のものを使用しているのですが、つい最近この衝突判定にマスクが設定できるようになりました。これを活用することで問題を回避できるのでは、ということでネクタイと腕に設定を行いました。

干渉対策

結果、このようにネクタイが腕に干渉せず、腕組みポーズも問題なく表現することが可能になりました。

マジカルミライ10th衣装におけるアニメーション機能

マジカルミライ10thの衣装には腰の部分にディスプレイを持つハートの形状を模したアクセサリーが存在します。初音ミクの標準衣装の腕のパネルにも使用している発光の仕組みはもともと存在したのですが、これをアニメーションする仕組みはありませんでした。

しかしどうしてもアニメーションを実現したかったので、テクニカルアーティストと連携して新しい仕様を検討しました。 最終的に任意のタイル状のテクスチャを任意のスピードでUVアニメーションできるようになり、無事やりたかった表現を盛り込んだ上でリリースすることができました。

ディスプレイのアニメーション

おわりに

アイプラの初音ミクコラボでは、初音ミクをより魅力的に表現するためにさまざまな工夫を行いました。 このように、アイプラのキャラクターモデルのチームでは、そのキャラクターらしさや衣装の個性をさまざまな資料から読み解き、イラストチームやテクニカルアーティスト室と連携しながら、細部までこだわりをもって制作を行っています。

これからも魅力的なモデルがお届けできるようにチャレンジを続けていくので、お楽しみにしていただけると幸いです。