IDOLY PRIDEのご注文はうさぎですか?コラボのこだわり

はじめに
QualiArtsが運用を行うモバイルゲーム「IDOLY PRIDE(以下アイプラ)」で11月28日から「ご注文はうさぎですか?(以下ごちうさ)」コラボを開催中です。
本記事ではこのコラボにおけるモデル、ライブ、ストーリーパートそれぞれの制作のこだわりと工夫について紹介いたします。
モデルのこだわり
今回のコラボではココアとチノの3Dモデルを制作しました。
ごちうさらしさを表現しつつもアイプラのキャラクターと並んでも違和感がないようなバランスを追求し、ディティールにもこだわっています。
表情の仕組みとこだわり
アイプラでは表情の表現にブレンドシェイプという手法を使っ ています。 顔のメッシュは頭、眉、目、瞳、口の5つから構成されています。
それぞれのパーツごとに「喜び」や「怒り」といった形状のメッシュを必要なだけ作成するのですが、喜びの表情ひとつとってもキャラクターによって適切な形状は異なります。
今回のコラボでいうと、ココアの喜びの表情とチノの喜びの表情は異なるので、イラストやアニメなども参考に各表情のメッシュを制作し、これらをアニメーションさせることでキャラクター性を担保しつつも多様な表情を実現しています。
この画像は全員同じ表情のアニメーションが流れていますが、口の形状などがキャラクターによって異なるのがわかるかと思います。
衣装のこだわり
衣装はラビットハウスの制服、クリスマス衣装、パジャマの3点を制作しました。
ラビットハウスの制服はアイプラの21人のアイドルたちが着ることができ、5種類のカラーからそれぞれに合う色をピックアップして着せています。
クリスマス衣装はうさぎのもふもふ感の表現のために生地の質感にこだわって制作しています。
腰のリボンをはじめ、脚の小さなリボンまで細かく揺れるように設定をしており、ダンスのさまざまな動きでぴょんぴょんする様子が見られるようになっています。
パジャマは脚にお互いのイメージカラーのリボンがついてるのが推しポイントです。 レッグウォーマーの柄は実は文字になっているので、ぜひ着替えなどで拡大して見てみてください。
ライブのこだわり
ステージデザインはごちうさとの親和性を高めるため、ごちうさの世界観から連想される形状を随所に散りばめています。
ダンスの振り付けは原作の動きを再現しながら、センターステージでのライブパフォーマンスを前提としたアレンジを加え、キャラクターたちがより魅力的に見えるように工夫しています。 また、特徴的な振り付けを活かして画面越しに楽しさが伝わってくるようなカメラワークを目指しました。
演出面では、メンバーカラーを意識したライトやエフェクトを使用しつつ、原作のふんわりした雰囲気とアイプラのライブの華やかさを両立できるような画作りを心掛けました。 これまでのごちうさのライブなどの演出も参考にしているので、ごちうさファンの方々にとって懐かしくなるような部分があるかもしれません。
ストーリーパートのこだわり
アイプラのストーリーパートはスクリプターと呼ばれる職種のメンバーがUnity上で動作する内製のエディターで制作しています。
メッセージの表示、キャラクターの配置、モーションの再生、カメラの移動といったコマンドと呼ばれるものをいくつも組み合わせてストーリーパートができあがります。 UnityのTimelineライクなエディターによって直感的にタイミング調整ができるようになっており、リアルタイム描画ながら動画のような表現が実現できます。
このシステムの詳細は2022年に開催されたUnitySYNCというイベントで発表しているので、ご興味があればアーカイブをご覧ください。
「IDOLY PRIDE」における動画のようなADVの実現方法
キャラクターの陰影の制御といった細かな調整もできるようになっています。
左の画像だとチノの影がココアに大きくかかってしまっています。配置とライトの方向によって正しい描画が行われた結果ではあるのですが、それによって期待しない画が表示されてしまうのは本意ではないので、こういった機能を用いて各カットでキャラクターたちが魅力的に映るように調整しています。
ストーリーパートの中で、衣装をお披露目するシーンがあります。 キャラクターの衣装を見せるとき、通常は下から上などにカメラをパンし、1カットで演出をすることが多いのですが、今回は4カットに分けています。さらに、それぞれの揺れものが一番いい感じに揺れてくれるモーションを選定し、ラビットハウスの制服の可愛い要素であるメリージ ェーンシューズやスカート・胸のリボンなどの魅力を十分に伝えられるような工夫をしました。
ストーリーをどのように演出するかはシナリオ、スクリプター、モデル、モーションの4セクションが連携して進めます。シナリオを執筆、スクリプターがそれを読んで演出を検討、新規のモデルやモーションによってより魅力的な表現ができそうな箇所があれば相談する、というような流れになります。
今回はシナリオの中で何箇所か「いらっしゃいませ」というモーションが必要そうな部分があり、アニメのワンシーンを参考にモーションを制作しました。 結果的に用意したモーションがこの画像のシーンにピッタリハマり、原作の再現が実現できました。
また、ココアはアニメの中ではガラケーを使っていますが、アイプラでは全員スマホを使用しています。こちらも今回のコラボのために新規でガラケーのモデルとそれを使用するモーションを制作し、設定に忠実なストーリーを実現しました。
まとめ
キャラクターモデルや衣装、ステージ設計、ライブ演出、そしてストーリーパートに至るま で、ディテールにこだわった制作の一部をご紹介しました。 これ以外にもアイプラとごちうさそれぞれのファンの皆さんにご満足いただけるようにさまざまなこだわりを詰め込んでいます。
ごちうさコラボは12月23日23:59まで開催しているので、ぜひ実際にプレイして今回紹介しきれなかった細部まで見ていただけるとうれしいです。
コラボの詳細は公式サイトで確認できますので、あわせてご覧ください。